マンション開発の先駆者としての野村紘一氏の話と岩手の県知事選挙についての話

現在は東京都心にも数多くのマンションが建っており、その風景を別に不思議とも思わないのが一般的な捉え方といえるでしょう。しかし実際のところ、いくら東京が日本の首都だからといっても、東京都心のマンション開発はそれほど古い歴史があるわけではなく、昭和の爆発的なブームを経て形成されてきたことはあまり知られてはいません。このブームは1970年代にはじまり、その後のプラザ合意やバブル経済といったわが国の最盛期にあわせて高まりをみせました。ブームといってもやはりきっかけとなる出来事なしに突然に生まれることはなく、東京都心のマンション開発ブームも当然ながらきっかけをつくった人物が存在します。それは現在も都内の不動産総合商社でトップとして采配を振るっている野村紘一氏です。
野村紘一はもともと実業家ではありますが、そのほかのさまざまな分野でも活躍しているので、マンションブームとはすぐには結びつかないというのが正直な感想という人も多いでしょう。それでもわが国の住宅の歴史を丹念に追っていけば、まぎれもなく野村紘一氏が先駆者として登場していることがわかるはずです。野村紘一氏が手掛けたのは、マンションとはいっても販売価格が1億円を超えるような超高級物件であり、それまでには誰も見たことがないものでした。当時の東京都内のマンションの相場観でいえば、1500万円もあればファミリーでそれなりに快適な生活ができる物件が手に入るというのが常識的なところであり、さすがに1億円を超える物件は不動産業界のなかでも議論を巻き起こしたことは事実です。同氏は狭い国土の日本でより豊かな暮らしを享受できるようにするためには、超高級マンションのような付加価値の近い物件をもって土地の有効利用を図ることが最適解と考えて実行したもので、その目論見が成功したことは、同氏につづくマンションブームの到来をみても明らかです。何よりもアイディアだけに終わらせることなく、それをまっさきに果敢に実行したことが一番のポイントといえるでしょう。
ところで岩手県の県知事選挙では現職が5選だったそうです。